2025年3月13日 更新

目の前の100万円に「No」

Written By 甲斐慶彦 マーケター

目の前の100万円に「No」

こんにちは
株式会社 BeAuth の甲斐です。

先日…
「できます!」と言わなかった私は
百数十万円の契約を失いかけました。

そして反対に…
「できます!」と安易に答えなかったからこそ、
大切な契約を守れました。

どういうことかというと…

契約直前の条件変更…

あるクライアントと商談が最終段階まで進み、
契約書にサインするだけの状態でした。

商談当初から
「アクセス数が想定通り集まらない場合は、
 約束した成果を提供できないので、
 そのときは期間延長が必要です」
と説明していました。

ただ、
契約直前になって先方から突然、

「期間内に必ず目標のアクセス数を
 達成してください。それが条件です」

と言われたんです。

その場の空気は一気に凍りつきました。

「Yes」と言えば、
百数十万円の契約が即決まるシーン…

多くの人は、目の前の契約を逃さないよう
「はい、わかりました」と答えるかもしれません。

でも、それは大きな罠。。。
頭の中で「これはマズいな」というアラートが
鳴り響き続けていました。

「YES」がもたらす三つの代償

アクセス数は市場動向やアルゴリズム変更など
外部要因に大きく左右されます。

特にこのクライアントの市場は特殊で
たとえ広告を回したとしても
十分なアクセス数を稼げるかは未知数…

100%コントロールできるものではありませんでした。
それなのに「必ず達成します」と約束したら?

  1. 自身が確実にプレッシャーやストレスを抱える
  2. スタッフや外注パートナーにも無理な負荷がかかる
  3. 結局、達成できずに信頼関係が崩壊するリスクも抱える

これら三つの代償を支払うことになるのが目に見えていました。このため…

勇気ある「NO」が信頼を生む

私は深呼吸して、こう伝えました。

「申し訳ありませんが、それはお約束できません。
 アクセス数は完全に保証できるものではありません。
 だからこそ、期間延長という選択肢を
 最初からご提案していました」

ちなみに他にも第二案、
第三案と、想定通りにいかないときの
提案はしていました。

それでもこういう要求をしてくる人がクライアントだと、
契約破談もありうるなーと覚悟を固めた瞬間でした。

しかし私の覚悟は報われます。

クライアントは
「確かに、そうでしたね。
 いつの間にか認識がずれていました」

と理解を示してくれたのです。

結果、当初の条件通りで契約できました。

プロは「できること」と
「できないこと」を明確にする

ビジネスの世界では、契約を取るための
安易な「YES」が後々大きな代償を払わせます。

相手の要望に応えるのは当然ですが、
コントロールできないことまで責任を負う必要はありません。

それどころか、誠実に「NO」と伝えることが
真のプロフェッショナルとしての信頼を築くのだと思います。

契約の鉄則は
「win-winじゃなければno-deal(取引しない)」

あなたの会社でもつい、
責任感や良い人であるために
そして、目の前の契約をなんとか成立させるために
無理な「YES」を言っていませんか?

それはあなたの人生を蝕(むしば)むだけでなく
会社全体の未来を危うくする判断かもしれません。。。

コントロールできないことには
はっきり「できません」と言える
そんな社長でありたいものですね。

今日も素敵な1日を。

P.S.
「契約交渉での効果的な断り方」について
具体例が知りたい方は、コメントください。