2025年8月12日 更新

他力本願で成功するか・自前主義で衰退するか

Written By 甲斐慶彦 マーケター

他力本願で成功するか・自前主義で衰退するか

こんにちは!
株式会社 BeAuth(ビオース)代表の甲斐です。

「新商品を作っても作っても、
 売上が思うように伸びない。。。」

先日、創業100年超の老舗企業の社長さんから
こんな悩みを聞きました。

半年から1年かけて新商品を開発。
でも売れるのは最初だけ。

また次の商品開発に取り組む。
その繰り返し。。。

「このやり方で進めていいのか?」
「このペースじゃ遅すぎる」
「とはいえ、新商品づくりはやめるべきじゃないし…」

こうした不安や焦りを感じている方、
多いんじゃないでしょうか。

なぜこんなに時間がかかるのか

新商品開発に半年から1年。
新規顧客の開拓もコツコツと。

老舗企業の多くが
同じような状況です。

なぜでしょう?

多くの老舗企業を支援する中で
見つけた洞察なんですが…
これには「自前主義」という考え方
根っこにある気がします。

企画も、開発も、製造も、販売も
全部自社でやる。

別にそれが悪いわけじゃありません。

でも、この考え方が
知らないうちに可能性を
狭めているのでは、と
感じることが多くなってきました。

気づいていない制約

自前主義でやっていると
自然とこうなります。

「お客様に紹介するのは自社商品だけ」

別に誰かが決めたわけじゃない。
でも、なんとなくそうなってる。

考えてみれば不思議です。

お客様は「良いもの」が欲しいだけ。
それが自社商品である必要は
どこにもないのに。。。

酒造会社の思い切った挑戦

私が支援した酒造会社の話です。

創業70年を超える会社で、
やっぱり自社の酒だけを売ってました。

でも、ある時思ったんです。

「お酒好きのお客様なら、
 他の美味しい酒も知りたいはず」

そこで他の酒造会社の商品も
一緒にセットで販売してみることに。

最初は社長さんも
戸惑っていました。

でも、やってみたら。。。

想像以上の結果

1つ目の企画:1ヶ月で200万円 完売
2つ目の企画:1ヶ月で400万円 完売
3つ目の企画:1ヶ月で500万円 完売

準備期間は
各1ヶ月半ほどかかりましたが…
1年で1100万円の売上増です。

お客様からは
「いろんなお酒を知れて嬉しい」
という声もいただきました。

年齢層が高くなるほど
「お酒の好み」は固まるもの…
そんな中で、
他の酒造会社のファンだったお客様も
ウチの酒を買ってくれるようになりました。

自社で新商品を作ってたら
1年かけて1つか2つできるかどうかです。

そんな中で全く新しい商品パッケージが
3つ4つと生まれ、それが全て大ヒット。

この差は大きいですよね。

「他力本願」の本当の意味

この経験で、ある言葉を
思い出しました。

「他力本願」

多くの人が「他人任せ」と
同じ意味だと思ってます。

私もそうでした。
でも違うんです。

他力本願は仏教の言葉で
「自分の力の限界を認めて、
他の力を借りることで救われる」

という意味。

つまり、自分だけじゃ無理なことを
素直に認めるところから始まる言葉でした。

変化の激しい今の時代…
「全部自社でやる」って
ちょっと無理があるのかもしれません。

それを認めることで
事業に大きな変化を生み出せることが
だんだんわかってきたのです。

JVという協業スタイル

こういう他社との協業を
JV(ジョイント・ベンチャー)
と呼びます。

難しく聞こえますが
中身はシンプル。

・自社客に他社商品を紹介する
・他社客に自社商品を紹介してもらう

このように、
お互いにメリットがある
協力関係を築くことをJVと言います。

実際私自身も、JVで
月30万→50万→100万円と成長する案件が出てきたり

私の知人は
たった1年ちょいで数億円規模の事業を
JVで構築してたりします。

「全部自社でやる」という
自前主義では絶対に実現できない
ことです。

時代に合った選択

自前主義には良さがあります。
品質管理、技術の蓄積。。。

でも同時に、
スピードが求められる今、
他社との協業も選択肢の一つ
ではないでしょうか。

長年発展してきた老舗企業は
その時代その時代に合った選択を
してきたはずです。

今がまた、
選択の時なのかもしれません。

本当に大切なこと

老舗企業の一番の資産。

それは長年築いてきた
お客様との関係です。

その関係を使って
自社商品だけを売り続けるか。

それとも、お客様にとって
価値あるものを幅広く届けるか。

どちらを選ぶかで
未来は変わってきます。

自前主義で時間をかけるか。
他力本願で可能性を広げるか。

答えは一つじゃありません。

でも、変化の速い時代に
どちらが合っているか。

一度考えてみる価値は
あるんじゃないでしょうか。

今日も素敵な1日を。

P.S.
他力本願って
「自分の限界を認める」
ところから始まるんですね。

これって案外、
勇気のいることかもしれません。

でも、その先に
新しい成長があるとしたら。。。

御社はどう思われますか?