努力が報われる組織・報われない組織
先週、2つの老舗企業を訪問して、
不思議な現象を目の当たりにしました。
片方は強力な社長がいる会社、
もう片方はリーダー不在の会社。
正反対のはずなのに、
どちらも同じ悩みを抱えていたんです。
「皆がんばっているのに、なぜか成果が出ない」
強い社長がいても、いなくても、
結果は同じ・・・
これって、おかしくないですか?
強い社長がいるのに、なぜ迷走するのか
1社目の会社、
社長の推進力は本当にすごかったんです。
声が大きく、決断も早い。
次々と新しい施策を打ち出していく。
社員の皆さんも必死に働いている。
でも、売上は伸びない・・・
なぜだと思いますか?
実は、社長が進もうとしている方向が、
お客様の求めているものとズレていたんです。
アクセル全開で走っているけど、
道が違う。
これじゃあ、どんなに頑張っても、
目的地にはたどり着きませんよね。
リーダー不在で、完全に停滞している会社
2社目の会社は、
これとは正反対の問題を抱えていました。
誰も決断しない。
誰も責任を取らない。
誰も方向性を示さない。
会議ばかり増えて、何も決まらない。
現場の社員は困り果てて、
「どうすればいいんだろう?」と迷ってるけど、
明確な答えはどこからも返ってこない・・・
まるでエンジンもハンドルもない車。
これじゃあ、そもそも動けませんよね。
推進力とベクトル、この2つが揃って初めて成果が出る
この2つの会社を見て、
はっきりとわかったことがあります。
成果を出すには、
「推進力」と「ベクトル」の両方が必要だということ。
推進力は、前に進む力。
ベクトルは、進む方向。
車に例えると、
推進力がエンジンで、
ベクトルがハンドルです。
エンジンだけあっても暴走するだけ。
ハンドルだけあっても前に進まない。
両方ないなら・・・
それはもう車じゃありませんよね。
なぜ老舗企業は方向を間違えやすいのか
理由その1:責任と権限がバラバラ
よくあるパターンなんですが、
社長が「君に任せる!」と言いながら、
実際のベクトルは全部社長が決めている。
管理職は責任だけ取らされて、
決定権はない・・・
これじゃあ、やる気のある社員ほど、
嫌になって辞めていきますよね。
実際、推進力のある優秀な社員が、
次々と退職していく会社を何社も見てきました。
理由その2:有名な会社の言いなりになる
「大手コンサルが言うんだから間違いない」
「銀行の提案だから信頼できる」
老舗企業ほど、
こういう権威に弱いんですよね。
でも、ちょっと考えてみてください。
その提案を作っているのは、
そのコンサル会社や銀行内でも
入社3〜4年の若手社員かもしれませんよ…。
御社の100年の歴史も、
地域での信頼関係も、
お客様との絆も・・・
何も知らない人が机上で作った提案が、
本当に御社にぴったり合うでしょうか?
現場の違和感こそが、最高の羅針盤
じゃあ、どうやって正しい方向を見極めるのか?
答えは実はシンプルです。
現場の声を聞けばいいんです。
現場の社員は毎日お客様と接しています。
「最近、お客様の反応がちょっと違うな」
「この商品、本当に求められているのかな」
こういう違和感は、
ベクトルがズレ始めているときに出るシグナル。
でも多くの会社では、
この貴重な声・シグナルが上に届かない。
届いても「現場はわかってない」で終わり。
本当にもったいないと感じます
戦略×戦術×現場、3つを掛け合わせれば必ず伸びる
正しいベクトルを定めるには、
3つの要素を掛け合わせる必要があります。
戦略:市場全体を見た大きな方向性
戦術:具体的な実行方法
現場:実際のお客様の反応と社内の状況
戦略だけでは絵に描いた餅。
戦術だけでは小手先の改善。
現場だけでは行き当たりばったり。
でも、この3つが揃えば、
事業は必ず伸びるんです。
実際に起きた驚きの変化
実際、私がこの考え方を意識しながら
支援した企業の話をしますね。
ある老舗企業では、
支援開始3ヶ月目から売上が急上昇。
なんと1年半以上にわたって、
毎月の売上が前年比140%を超え続けたんです。
別の会社では、
年商3000万円だった事業部が、
4年で1億4000万円まで成長。
4.7倍ですよ。
特別な魔法を使ったわけじゃありません。
ただ、推進力とベクトルを整える。
現場の声をきちんと聞いて、
戦略と戦術を現場に合わせて調整して、
社員の推進力を引き出す仕組みを作った。
それだけで、これだけの成果が出るんです。
(まぁシンプルですがカンタンではないですね^^;)
じゃあ、どうやって解決すればいいのか
推進力はあるけど、方向が違う場合
この場合、
戦略と戦術に詳しい外部専門家が必要です。
ただし、重要な条件があります。
「現場の声を聞いてくれる人」を選ぶこと。
現場を無視する専門家は、
どんなに有名でも役に立ちません。
方向は合ってるけど、推進力がない場合
これはだいぶ困った状態…というのも
推進力って、一朝一夕では身につきません。
こうした場合は、
外部専門家に初速を出してもらって、
併走してもらいながら、
じっくりと社内で推進力を育てていく
というのが最適解だと思います。
時間はかかりますが、
これが一番、現実的な方法です。
両方ない場合
正直、これが一番大変です。
外部専門家の全面的なサポートが必要になります。
最初はおんぶに抱っこでもいいんです。
少しずつ、確実に力をつけていけばいい。
専門家を選ぶ、たった1つの基準
では、どんな専門家を選べばいいのでしょう?
私が常に意識していますし、
私が専門家を選ぶときにも大切にしている基準は…
「現場の声を聞くかどうか」
有名かどうかじゃありません。
会社の規模でもありません。
現場やお客様の声を大切にする専門家かどうか。
戦略面・戦術面が現実的かどうかももちろん大事ですが…
ここが本当に成功に導いてくれる人か、
表面的な仕事しかしてくれない人か、
実は見極めやすいポイントだったりします。
今すぐできる2つのチェック
「推進力」と「ベクトル」
この2つはチェックリストとして使えますね。
御社はどうでしょうか?
【推進力のチェック】
□ 社長一人だけが頑張っていませんか?
□ 推進力のある社員を活かせていますか?
□ 推進力に対して余計なブレーキはかかっていませんか?
【ベクトルのチェック】
□ 責任と権限は一致していますか?
□ 外部の提案を鵜呑みにしていませんか?
□ 現場の違和感をきちんと聞いていますか?
まずは小さな一歩から
「皆がんばっているのに成果が出ない」
もしそう感じているなら、
それは社員の能力の問題じゃありません。
推進力とベクトル、
このどちらかが欠けているか、
両方ともが欠けているか、
いずれかの問題です。
まずは現場の社員と話してみてください。
「最近、お客様の反応はどう?」
「何か違和感を感じることはない?」
この小さなシグナルをキャッチするかどうかが、
大きな変化の始まりになるはずです。
老舗企業には、
新しい企業にはない強みがたくさんあります。
その強みを正しい方向に向けて、
しっかりと推進していけば、
必ず成果は出ます。
御社の努力は、必ず報われます。
もしお悩みがあれば、ご相談ください。
推進力と、ベクトルを揃えるお手伝いをいたします。