「できない」と「やらない」は違う
おはようございます。
甲斐慶彦です。
先日、私が所属している経営者コミュニティで、
仕組み化の天才と思っている方から
こんな言葉をいただきました。
「できない」と「やらない」は違う。
この言葉を聞いた瞬間、
雷に打たれたような衝撃を受けました。。。
今まで曖昧にしていたことが
すべてクリアになった感覚。
老舗企業の経営者の方々と話していると、
「全部やらなきゃいけない」という責任感に
押しつぶされそうになっている方が本当に多いです。
でも、その責任感が
逆に会社を疲弊させているかもしれません。。。
「できない」は義務からの解放
「できない」というのは、
自分を解放する言葉なんです。
義務からの放棄。
「忙しいからできない」
「人手が足りないからできない」
「予算が足りないからできない」
よく言いますよね。
これ、実は自分を解放する言葉。
自分がなすべき義務を放棄する言葉なんです。
ここで重要なのは
放棄すること自体は問題じゃないってこと。
どうしてもリソースが足りないことは
ありますから。。。
でも、ここが重要。
放棄した以上、
そこから生まれる結果に
右往左往しちゃいけない。
時間の無駄だし、
精神的な負担なんて考えちゃいけない。
だって「できない」んだから。
ここを気にし過ぎてしまうと、
放棄したはずなのに、
自分を解放したはずなのに、
自分や他人を疲弊させてしまう。。。
「できない」と決断した人に対して
結果を突きつけても無意味だし、
「できない」と決断した自分を
責める行為は無駄でしかない。
これ、老舗企業の経営者の方に
特に多い傾向なんですよね。
「やらない」は責任領域を狭める覚悟
一方、「やらない」は、
自分のテリトリーを狭める言葉。
責任を負う領域を
狭くする言葉なんです。
「この仕事はやらない」
「人は雇わない」
「ウチは値下げはしない」
よく聞きますよね。
自分は「この領域については責任を負わない」
「ここは捨てる」という宣言。
これも責任を負う領域を狭くすること自体、
捨てること自体は問題じゃない。
事業形態としてどうしても、
生き方としてどうしても、
「ここまで責任は持てない」
「ここは捨てなきゃ回らない」
という領域はどうしても出てくるものです。。。
でも、ここが肝心。
「責任をとらない」「捨てる」と
決断した以上、
「捨てる」ことによって起こる結果に対して、
フォロー体制とか、
それでも事業が回るように、
不都合が生じないように
手配しておかなければ、
ただ単に「嫌なやつ」になる。
責任をとらないくせに責めてくる、
なんて人物。
面倒くさくてしょうがないですよね(笑)
値下げしない社長の矛盾
例えば…「値下げはしない」と
決めてる経営者って意外と多いです。
特に老舗企業の社長さんには
この信念を持つ方が多いですね。
品質への誇り。
それ自体は素晴らしいことです。
でも、その一方で。。。
集客やマーケティングを
しっかりしないと売れないのは
わかっているのに、
「今まで集客やマーケティングに
お金をかけたことないから」
と、売りにくい状況を
放置してる社長も多い。
これ、知らず知らずのうちに
アベコベな判断をしてるんですよね…
値下げしないと決めたなら、
その分、別の部分で
勝負しなきゃいけない。
それをしないのは、
「やらない」と決めたことへの
責任を放棄してるってこと。。。
コントロールできる領域を明確にする
「できない」は、義務からの解放・放棄。
「やらない」は、捨てる領域の明確化。
どちらも「コントロールできない領域」を
ハッキリさせることで、
「コントロールできる領域」の
質と量を高める判断なんです。
ここの線引きをボヤッとさせると、
仕事も私生活も、
ココロもカラダも疲弊させる。。。
私自身、この線引きを
するようになってから、
精神的なストレスが大幅に減りました。
以前は10点満点中6から8の
ストレスやプレッシャーを感じていました。
これが今では10点満点中
2から3程度に減ったのです。
劇的な変化ですよね?
クライアントとの信頼関係が深まる
またおもしろいのが…
実は、これをクライアントワークに入る前に
必ずクライアントに話すようにしたんです。
「できない」「やらない」と
決めたことによって生じた結果・現象について、
あなたも私も気を揉むことはないし、
気を揉まないように対処しておきましょう、と。
すると、不思議なことが起きました。
この話をすること自体が
信頼される要因になったんです。
相手もスッキリ
自分の現状を見られるようになった。
「そうか、ここは諦めていいんだ」
「ここに集中すればいいんだ」
という気づきを得られたみたいで。。。
老舗企業だからこそ必要な決断
老舗企業の経営者の方々は、
特にこの線引きが曖昧になりがち。
「先代から受け継いだものを
すべて守らなければ」
「地域のために
すべてに応えなければ」
「従業員のために
すべてを背負わなければ」
その責任感は尊い。
本当に素晴らしいと思います。
でも、すべてを抱えることで
本当に大切なものに
リソースを割けなくなるんですよね…
結果動きが遅くなり、事業は停滞する。
100年続く企業をさらに発展させるためには、
「捨てる勇気」も必要なのでしょう。
伝統を守るためには、
変えるべきところと
変えないところを明確にする。
それが「できない」と「やらない」の
線引きってことなんですね。
今日から始められる第一歩
これを読んでいるあなたも、
ちょっと自分に置き換えて
考えてみてください。
今、「できない」と言いながら
気を揉んでいることはありませんか?
「やらない」と決めたのに
フォローできていないことは?
この線引きを明確にするだけで、
あなたの心身の負担は
確実に軽くなります。
そして、この考え方を
周りの人と共有してみてください。
部下に、家族に、取引先に。
きっと、みんなの表情が
スッキリするはずです。
なぜなら、
お互いの責任領域が明確になることで、
無駄な遠慮や気遣いがなくなるから。。。
老舗企業の強みは、
長年培ってきた信頼関係。
その信頼関係を活かすためにも、
「できない」と「やらない」の線引きを
明確にすることが大切なんです。
あなたは今日、
何を「できない」と決めますか?
何を「やらない」と決めますか?
その決断が、
あなたとあなたの会社を
もっと強くするはずです。。。